宮城県大崎市三本木町の呼吸器科・アレルギー科・内科

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マイナ保険証に思う(老医のつぶやき)

2024年12月11日掲載

あっという間に12月になりました。

まだまだマイナ保険証は先のことと思っていましたら、今月4日から新規健康保険証の発行が停止されました。私はほぼ完全に息子(院長)に診療は任せていますが、とりわけ高齢患者さんの戸惑いも少なくないようです。

マスコミも連日、保険証の新規発行停止とマイナ保険証への切り替えを報じておりますが特に慌てる必要はありません。今の保険証はまだまだ期限いっぱいまで使えますし、完全廃止になっても資格証明証が送られてきますから安心ですね。

マイナ保険証は現時点では我々医療機関にとっても、結構ストレスです。補助金が出るにしても機械の設置はかなりの経済的負担になりますし、特にデジタルの苦手な高齢者の患者さんへの対応は手間取ることも多い。

やはり私も含めて高齢者にとってデジタル機器はなかなか馴染めない。

私も決してコンピュータは得意ではなかったですが時代の流れに負けまいと苦労して色々やってみました。電子カルテも比較的早い時期に採用し、電子化に遅れまいとオンライン資格確認のためのカードリーダーも電子処方箋も導入しました。

ただ最近は、“これ以上はとてもカナワン”という気持ちで、今は息子に任せることにしています。

スマホだって電話とメール、家族写真を撮るくらいで、便利さを享受なんてとてもとてもできません。

SNSなどはまさにデジタル社会が生み出した非常に便利な情報発信ツールで、現にこれまでの民主主義の基盤たる選挙のあり方にまで根本的な変化を及ぼしつつあります。しかし私はSNSにはとてもとても恐ろしくて関わりたくありません。多くの医療機関がネット上での様々な誹謗中傷で傷ついております。

当医院も私や院長が知らぬ間に、理解に苦しむ非難の記事が載せられることもあるそうです。患者さんが少しでも、役立つ情報を求める気持ちは大いに理解できますが、記事の内容によっては、まともに対応などできないものが多いことも事実です。

言論の自由と言いながら法整備も整わない現状では反論は容易ではありません。

そうはいうものの、今後さらに社会のデジタル化は進むことでしょう。

確かにマイナ保険証が拡がれば、受診の際の事務手続きが大きく簡素化され診療面でも薬の重複投与や副作用などの防止に繋がります。

これからの社会ではデジタル化が避けられないなら、なんとか我々高齢者にとっても、簡便にして、便利が実感できるものになって欲しいものですね。

もうすぐ新しい年がやってきます。

心から良い年になりますように。

老医 近江 徹広