2024年1月19日掲載
新年おめでとうございます。
今年こそは良い年であって欲しい!と思うまもなく元旦早々能登半島大地震、続いて翌日の羽田の航空機事故と、先行き不穏を感じさせる2024年の幕開けになりました。
私自身も12年前に大震災を経験し、大変な思いをしただけに現地の報道をみるにつけ身につまされる思いです。とりわけ厳しい寒さの中での避難生活、また救助活動のご苦労はいかほどのものでしょうか、被災された方々には心よりお見舞いと1日も早い復興を祈るばかりです。
当院は正月4日より診療を開始しましたが、インフルエンザ猛流行の中、鳴りを潜めていた新型コロナ患者さんが増え出してきました。
このまま続くと第十波襲来?の不安もよぎります。
ウイルスの流行には干渉作用があってこの4年間猛威を振るった新型コロナによってインフルエンザの流行が抑えられていたと言われています。今回はコロナの流行が鎮まったので、かってないほどインフルエンザの流行がみられたと考えると、昨今の季節外れのプール熱やヘルプアンギーナさらには高齢者にまで広がっているアデノウイルス肺炎の流行も納得できます。
最近の気候変動、地球温暖化は世界中で最も深刻な問題の一つですが、感染症でもこれまでに考えられない事態が懸念されています。
WHOは先進国では過去のものと考えられていた麻疹、さらにはマラリアやデング熱などの熱帯地方特有の伝染病も北半球での流行が懸念されると報告しています。
一方、新型コロナやインフルエンザは通年性の感染症となり、流行と収束を繰り返すことになると考えられています。
現在流行が懸念される新型コロナウイルス株はJN.1と言われ、やはりオミクロン系統に属するとのことです。伝染力は強いそうですが重症化リスクはこれまでと変わりないと言われています。
確かに現在コロナは流行していますが重症化する例はほとんど見られず、高熱や咽頭痛が強い患者さんはおりますが、基本的には風邪症状です。コロナ対応も流行当初とは大きくかわり、高齢者はもちろん多くの方々もワクチン接種を受けており、高価ではありますが経口薬も状況によっては処方できます。
あまり恐れず、ただし警戒心は怠らず、普段の生活ではマスクは必ずしも必要と思いませんが、感染リスクの高い環境ではマスクをするといった配慮が必要でしょう。
被災地は厳しい寒さに加え、極めて劣悪な衛生状態の中でコロナやインフル、感染性胃腸炎、そして肺炎など感染症が大変心配です。
1日も早い復旧、復興を願うと共に私どもも今後のコロナやインフルエンザは勿論、種々の感染症の流行に注意を払いながら生活していくことが求められる1年になるでしょう。日常生活における感染防護にはまずは基本に忠実に、そして現時点での最も確度の高い情報を得ることが大事ですね。
理事長 近江 徹広