2018年4月11日掲載
予防注射というと子供たちの話かと思われるかもしれません。
あるいは、これから外国、特に発展途上国に出張されるビジネスマンも場合によっては必要なことがあります。
しかし高齢化が進む我が国では高齢者だからこそ必要な予防注射があります。
インフルエンザワクチンは今年は品薄となり結局例年以上の流行を招いてしまいました。
以前から言われていることですが、インフルエンザワクチンを打ってもインフルエンザにかかってしまうことは少なくありません。
しかしワクチンの効果はないわけではありません。
重症化を防ぐ意味で必要なワクチンです。インフルエンザは子供たちの間で大流行しますが、肺炎などの合併症を招いて重症化するのは高齢者です。
大流行を防ぐためにも多くの人に受けてもらいたいのですが、特に冬場の流行期の前には高齢者の方々には受けてもらいたいとおもいます。
また肺炎球菌ワクチンも大事なワクチンです。
現在我が国には2種類のワクチンが存在しています。
ニューモバックスというワクチンは、65歳以上になると一回きりですが補助金が出されます。その後の補助金はありませんが、5年ごとに注射を受けることが推奨されます。
もう一つプレベナーというワクチンも肺炎球菌ワクチンです。
このワクチンは生涯一度受ければよいワクチンです。
同時に接種はできませんが、広く肺炎球菌を抑えることができるので、これら二種類のワクチンを接種することをお勧めします。
なんとなれば 昔から肺炎は老人の友 と言われるくらい、高齢者にとって肺炎はありふれた病気で、何回も繰り返しかかる病気でもあります。
若い人と異なり高齢者の肺炎は治療に難渋します。そして高齢者の直接死因の第一位は肺炎です。
肺炎を生き起こす細菌(起因菌)は過半数が肺炎球菌なのです。
もうひとつ帯状疱疹、いわゆるヘルペス(大崎地方では『つづらご』と言われます)のワクチンもぜひ受けていただきたいワクチンです。
すでに御経験された方もいらっしゃることでしょう。
これは、本当に痛い発疹ですね。
どこにでも出現する強い痛みを持った小さな水ぶくれが特徴的な発疹で、治療法はほぼ確立されていますが痛みが結構長く続きます。顔などに出ると顔面神経麻痺をきたすと大変苦労します。
もともとは水ぼうそうのウイルスですのである程度の年齢になったら警戒が必要です。特に高齢になるとかかる可能性が大きくなります。
これも残念ながら補助金は出ません。
年をとったのだから病気になるのは仕方がない、といっても防げるものは防ぐべきでしょう。ましてや高齢になって痛い思い、苦しい思いはできるだけしたくありませんね。予防医学は間違いなく進歩しています。
その最たるものが予防注射です。
おカネは少しかかりますがぜひご検討ください。