2017年9月21日掲載
皆我が国の死因の一位はガンです。
ある意味、高齢社会では、仕方のないことかもしれません。
ただし、最近は肺炎が猛スピードで死因の順位をあげてきました。
今や、心不全、脳卒中に次いで第四位、統計によっては第三位とも言われています。後期高齢者の直接死因では第一位とも言われています。
肺炎は昔から“老人の友‘’とも言われてきました。
年をとると飲み込む力 嚥下の力が衰えます。すると食べ物がどうしても気管に入りやすくなります。その結果、肺炎いわゆる誤嚥性肺炎を起こしやすいのです。食べ物だけではありません。口の中には様々な菌がいます。いわゆる雑菌ですね。これも唾液とともに喉から食道に運ばれず、気道(気管ですね)に入って肺の奥まで運ばれてしまうことになります。
高齢者はもともと抵抗力が弱く、糖尿病や脳梗塞、認知症などの持病を持っている人も多いので重症化しやすく、繰り返し肺炎を起こすことが多く、やがて呼吸不全(肺の働きが低下して酸素が取り込まれなくなる状態)をおこしていきます。
嚥下する力が落ちてきたなら、私は嚥下の専門家の力をぜひお借りするようにすすめます。まずは口腔内を綺麗に保つことが何より大事です。
特に体が不自由あるいは認知機能が低下しているご老人ではご自分でできることは限られています。ぜひかかりつけの歯科医さんにご相談ください。
今や国民病となってしまった糖尿病、その合併症はおよそ全身に及びますがその予防のためにも口腔ケアは非常に大切です。
「もう歳だから今更歯なんか、」と言っている時ではありません。
元気なうちから口腔ケアには十分気を使ってください。特に歯槽膿漏は重篤な内科の病気を引き起こしますので。