2017年3月28日掲載
歳をとると、いろんなところに不都合がでてきます。眼がかすむ、耳がきこえにくい、あっちこっちが痛くなる、はては動くのがしんどい、頭がはたらかなくなった、などなど。
心配になって、医者にいく、このことはもちろん理解できます。歳のせいだ、というのは簡単ですが、つらいのはつらい、なんとかならないかと思うのは当たり前のことです。
医者にいって良くなる場合もあるでしょうが、なかなかよくならない、となるとまた他に医者を捜す。
その結果、その都度薬が増え、場合によってはのみきれず捨ててしまう、これは大問題です。同じような種類の薬が重なったり、場合によっては薬の飲み併せが悪かったりして、かえって不調をより悪化させることもあります。
最近のお薬はかなり作用が細かくなり、確かに効き目がより鋭くなってきています。
これは医学薬学の進歩ではありますが、その分ときに重篤な副作用も懸念されます。
一方ではマスメディアは、私の率直な感想も含めてお話しすると、副作用をいささか大げさに報道する傾向があります。その結果、根拠もないのに、恐れおののいて大事な薬を自己判断で中止してしまうことも多いようです。
私はそのようなときこそ、率直に、相談ができる、かかりつけ医、そのかかりつけ医と連携をとれる、かかりつけ薬剤師が必要だと思います。
たとえ、なんの症状がなくてもその薬がきわめて大事だということはあります。たとえば高血圧、糖尿病、高脂血症などいくつもあげることができます。主治医に相談なしで中止されると治療はうまくいきません。ぜひ遠慮なく不安があったら相談してください。それがかかりつけ医の仕事ですので。
お薬ノートはぜひ携帯してください。
どんな薬をどれだけ飲んでいるのか?
お薬も検査も交通整理は必要です。
ご自身のためにも、また大事な医療資源である薬がムダに使われないためにも。