診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

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2017年6月26日掲載その薬、ほんとに必要ですか?(ポリファーマシーとは?)

 皆さんはポリファーマシーという言葉をご存知ですか?ポリ(poly)は多い ファーマシー(pharmacy)とは薬剤とでもなりましょうか、多剤薬剤投与あるいは服用という意味で使われています。

 もちろん病気と戦う上で薬はなくてはならない、極めて大事な武器です。科学の産物である素晴らしい薬が次々と世にでることにより、現代医学の発展をもたらしたことは間違いありません。

 ただ一方において非常に多くの薬が容易に使えるようになったおかげで思わぬ障害も、多く見られるようになりました。

 例えば高齢になれば、病気になりやすいし、それも様々な病気や障害も合併しやすくなります。

 私の外来でもお年寄りは、複数の病気を持っていることはごく普通のことです。

 となると、その病気ごとに薬が増えることもある程度やむを得ないことかもしれません。

 高血圧で糖尿病があってさらに高脂血症がある、などは一般的ですが、さらに慢性気管支炎や白内障、さらに膝や腰の痛みなど様々な病気を持っていると、それらに対応したお薬が必要ということになり、あっという間にポリファーマシーになってしまします。

 病気が重症であればさらに、お薬は増えてしまいます。

 では何種類の薬をポリファーマシーと言うのでしょうか?残念ながら答えはありません。

 ただ高齢者では5種類を増えると、トラブルが増える傾向にあるとの報告はあります。

 ポリファーマシーは誰もが望まないことで、医療者も患者さんも十分意識する必要があります。

 薬は素晴らしい恩恵を与えてくれる一方で「薬はリスク」ということも気に留めておく必要があります。

 医師も、果たして今でもこの薬は必要か、と処方の際には考える必要はありますが、患者さんも本当にこの薬が必要か考えてもらいたいと思います。

 世界の人口の2%に過ぎないのに世界の薬の10%を消費しているのは日本人との報告もあります。

 日本人は薬好きなのでしょうね。

 一方ではポリファーマシーは医療費を高騰させます。

 一人の患者さんに6種類を超える薬を処方すると医師には診療報酬が下げられる仕組みが導入されました。

 ただ医療者として大事なことを最後に行っておきます。どうしても減らすことのできない、飲まなければならない薬はあるのです。

 ぜひ種類が多いから、飲みたくないからという理由で減らしたり、中止したりしないでください。

 ポリファーマシーは患者さんと医師とじゅうぶん話し合った上で対応していくことが何より大事なのです。

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