診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

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2014年4月16日掲載医療で老いは防げません

 震災以前から、医療崩壊の危機がさけばれておりました。
高齢化が一層進めば、医療を必要とする人が増えます。その結果、もはや人的にも経済的にも、このままでは対応できなくなった、ということでしょう。

 年をとれば、体のあっちこっちが衰えていくことは当たり前のことです。
ご高齢の方々が健康を害されたとき、どこまで医療が関わるか?どの程度関わるか?これは結構難しい問題です。

 いくら頑張っても、ヒトは最後に死を迎えます。
医学の進歩は目覚ましく、これまではとても難しかった病気も結構治るようになりましたし、かなりの高齢者でも大手術が受けられるようになったことは事実です。

 しかし、これだけの長寿社会になったのは、医学の進歩だけでなく、経済的に圧倒的に豊になり、公衆衛生の発展にともない、環境がクリーンになったためでしょう。
もちろん、福祉の充実もあるでしょう。
長寿社会は実現されましたが、これからはただ長生きするだけでなく、いかに健康寿命を延ばせるか、です。

 心身の衰えは年齢とともに進みます。
医療は幾分かは、衰えの進行を抑えることはできるでしょうが、ある程度の年齢になったら、食生活に注意して運動習慣をもつ、健診を受ける、意欲をもって社会活動に参加し続ける、等々が何といっても大切です。
医療に頼ってばかりいてはいけません。

 今、医療崩壊の危機がさけばれていますが、団塊の世代が後期高齢者になる10年後には医療はもっと一層、厳しい事態になるからです。
いまこそ医療は適正に運用されなければなりません。

 そのためには、まず、かかりつけ医をもつことです。その患者さんにふさわしい医療を提示してもらうことができます。
医療の交通整理は、かかりつけ医の大事な役割です。

 私もいつのまにか前期高齢者になっておりました。
おおまかに人生80年とすれば、最終コーナーをまわったといえるでしょう。
老いに対する医療の限界を考えれば、いずれ最終的にどのような形で最期を迎えるか、考えていかなければならないと思っています。

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