診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

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2013年5月1日掲載このお薬いつまでのむんですか?

 高血圧患者さんのなかには、「この血圧の薬いつまでのむんですか?」 と患者さんが尋ねてくることはよくあります。
 なかには、「いったん血圧の薬を飲むと一生やめられなくなるので飲みたくないです」という方もいらっしゃいます。
 なるほど日本人は薬好きとはいわれてもやはりできれば減らしたい、止めたいというのは理解できます。
ましてや昨今、薬の副作用とか薬害なんていう言葉が日常、マスメディアで報道されない日はないくらいですからなおさらです。

 さて医学の進歩に伴い最近は画期的な薬が次々と開発され、医者としては、やり甲斐を感じる一面、私くらいの年齢になるとついていくのも大変です。
 私は開業医ですので、最先端のお薬など処方することはまずありません。
でも日常つかうお薬も最近は切れ味がよく、副作用もかなり少なくなってきていることも事実です。

 さておおまかにわけて短期間、きちんと飲む必要があるお薬と長期間、場合によっては一生涯飲み続ける必要がある、お薬とにわけられと思います。
 たとえば解熱剤とかあるいは感染症につかう抗菌薬などは一般には長期間に及ぶことは少ないでしょう。一方、生活習慣病といわれる高血圧、糖尿病、高脂血症などのお薬ははかんたんにやめてしまっては困ります。
生活習慣病の基本はきちんと生活習慣をまず見直すことです。
 しかし、病気にはかなりその患者さん自身の素因、たとえは遺伝とか体質のようなものも(学問的には遺伝子といえるかもしれませんが)深くかかわってきます。
 ですから高血圧や糖尿病、高脂血症などはおそらく一生、経過を見る必要があるのです。
 生活習慣を見直して、きちんと定期的に血圧なり血糖、脂質とか検査をうけつつ薬を調節していく必要があるのです。その結果として薬を減らすことは充分可能ですし、うまくいけば、止めることもできるようになるかもしれません。

 ただ、生活習慣の見直しといってもこれは実はたいへんむずかしい、このことは私自身もよ〜く理解しております。食の嗜好とか、人によってはお酒とかは、その人の人生の基本にかかわる問題ですし、毎日忙しく働いている中、運動習慣をつけるのは容易ではありません。
 言い切ってしまえば、薬を飲む、飲まないにかかわらず、生活習慣病との闘いは一生つづくと腹をくくることが大事です。
 最近の降圧剤、あるいは抗糖尿病薬や高脂血症に対するお薬は、効果にすぐれ、血圧や検査値もすばやく正常化することも(もちろん、そんなに簡単でないことも多いのですが)少なくありません。
 患者さんも、もともと生活習慣病は自覚症状が少ないうえに、数字もよくなったから、もう止めたいという気持ちもわわからないでもありません。

 でもどうぞ、はやまらないで下さい。
 副作用が心配、飲み併せが気になるというのなら是非、まずは主治医に相談しましょう。
 医者もなんでも知っているわけではないので専門医、薬剤師さんなどのお知恵をかりてたえず勉強していく姿勢は大事ですね(反省すること多々あります)。

 生活習慣病を放置すると、動脈硬化が進展し、脳卒中、心不全、腎不全などにつながります。

 生活習慣病は医者と患者さんと二人三脚でがんばっていきましょう。

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