診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

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2013年1月25日掲載インフルエンザについて

 たいへん寒い日がつづいていますが、巷では株があがったり、円安傾向がすすむなど、
まあ明るい兆しがみられた正月でした。これも新政権に対する期待が大きいのでしょうね。
 景気も気から!といわれますね。あかるい気持ちで(といってもなかなかそんな気になれない
人もまた多いでしょうけど)希望を胸にがんばっぺ!
 正月3日は休日当番医でした。 この時期の当番医は結構忙しい。

 いわゆる感冒から、感染性胃腸炎、インフルエンザなどの患者さんが来院されました。
なかには「なんとなく風邪っぽいから、悪くならないうちに来た。」「風邪なのではやめに治してもらいに来た 」ということで受診される方も決して少なくありません。
 早期診断、早期治療がなにより大事とはよくいわれる言葉です。 確かにそのとおりですが、風邪には当てはまりません。
というのは以前このコラムに書きましたが風邪の根本的治療法はない!のです、
かえってインフルエンザの患者さんに囲まれてホントにインフルエンザにかかってしまうことになりかねません。

 このことに関連して、この正月にカナダ在住の親しい知人からたいへん興味深いmailをいただきました。
彼女はちょうど1年前に国際結婚してカナダはバンクーバーに移り住んでいます。
高熱が5日間もつづき市販薬をのんでも改善せず、インフルエンザかも?ということで病院にいったものの、検査も熱さえも測定してもらえず、薬も処方されなかった、とのことでした。
 また彼女の友人もインフルエンザで受診したところ、若い人なので薬は不要といわれたそうです。
この時ばかりはきっとカナダの医師を呪い、近江先生を恋しく思ったことでしょう。
 しかし、いわゆる風邪はもちろん、インフルエンザも、マイコプラズマでさえ、多くの健康な成人では自然になおってしまうものです。自分自身の免疫の力でやがて克服されていくわけで、それを待つというのはきわめて合理的な対応です。医療費の節減にもなりますしね。

 ただ日本の多くのクリニックなら、インフルエンザの簡易検査をおこない陽性ならなるべくはやく抗インフルエンザ薬を投与することでしょう。そのほうが治りがはやいし、いたずらに苦しめたくはありません。
 日本中の医師が皆、同じ考えで対応するわけではありませんが、日本は先進国のなかでも、最も受診しやすいといわれています。

 その一方で軽症者であふれかえる大病院、という評判もたっています。
さすがにこれではマズイということで最近はなるべく軽症者は診療所へ、という傾向になっています。
 ではインフルエンザはどう考えるべきでしょう?
インフルエンザを単なる風邪と考えてはいけません。伝染力はたいへん強いし、乳幼児、高齢者では肺炎や脳炎の合併症もありえます。学校やお勤めも休まねばなりませんので社会的影響も大きい。 ですから、もちろん侮ってはいけません。

 しかし、もともと健康な人がインフルエンザに罹患したからといってほとんど、慌てる必要はないといえます。こどもだって、ぐったりしていなければ急いで時間外救急を訪れる必要はまずないのです。
 大崎市ではこの10月から夜間救急輪番制が午後10時までになりました。
その影響もあって、最近市民病院の救急センターを受診される患者さんが増えてきています。

 もちろん、乳幼児で症状がなんか変?反応が鈍い、ケイレンしている、これは我慢してはいけません。ただ熱発してインフルエンザが心配だ!というのなら明朝かかりつけを受診してもまずは大丈夫です。まず慌てないで、できるだけ、冷静に観察する態度が、これから医療冬の時代をのりきるには、患者さんやご家族の求められるのでしょうね。

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