診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

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2012年12月17日掲載まずはワクチンで防衛すること!

 12月になってほんとうに寒い日がつづきますね。
 この季節になると風邪の患者さんも結構多くなり、インフルエンザの流行が気になります。

 毎年のことですが、患者さんももちろん辛いでしょうが、我々医療者も結構、大変なんです。
 繁盛していいですね!などといわれないこともないですが、感染症の流行シーズンは、いつもより疲労が増します。

 感染性胃腸炎、マイコプラズマ肺炎、また水痘やおたふく風邪もはやっていますし、まもなくインフルエンザも流行してくるでしょう。すみやかに回復してくれるともちろんありがたいけど、なかなか
熱が下らない、さっぱり元気にならない、レントゲンの影がむしろ拡がってきた、とか
 心配そうなママ達の顔をみると、この道40年?の私も不安におののくのです。

 もちろん、ママ達のまえではいかにも悠然たる様子で、すべて織込み済みってな顔を心がけてはおりますけど。

 さて感染症とは、先にあげたように、細菌やウイルスなどに代表される病原性をもった微生物(病原微生物とよびます)が体内にはいりこむことによっておこる病気です。様々なルートを経て伝染していくのが特徴です。
毎年流行するインフルエンザは咳やくしゃみ、感染胃腸炎(ノロウイルスとかロタウイルスなど)は
手指から口を介して体内にはいってくわけです。

 幸いなことに日本のような先進国では医療環境も整備されており、細菌やインフルエンザウイルス
などではお薬もありますので、健康な成人では重症化する患者さんはたいへん少ない。

 そうはいってもインフルエンザにしても感染胃腸炎にしても、病気にかかったら、やはりとても辛い。家族のだれかがかかっただけで、看病のため何日間も務めを休まなければならない。

 なんといっても赤ちゃんや幼児、それからお年寄りは抵抗力がありませんので、重症になりやすい。
 そこでワクチンをお勧めするわけです。

 残念ながら現時点ではインフルエンザはワクチンで100%予防できるわけではありません。

 当院でワクチン接種をうけたのに、インフルエンザにかかっちゃった、という患者さんを診察することは、しばしばあります。こんなときは患者さんに負けず、私も辛い思いをいたします。

 しかし、ワクチンの効果は発症予防、重症化予防の面から明らかとされています。またよく懸念されるような重大な副反応はほとんどないとされていますので、まだ間に合いますのでぜひお受けになるようにお勧めします。


 先日、ワクチンの研修会にいってまいりました。

 主に乳幼児期のお話しでしたが、私も小児科を専門としてはおりませんが勉強して参りました。
 日本の予防接種制度は以前は世界のトップクラスであったのが現在は後進国になってしまっているとのお話しがありました。そのためワクチンで防げる病気(これをVPDというそうです)で死亡したり、重い後遺症が残っている子供たちが多いとのことです。

 このことは恥ずかしながら小児医療に疎かった私としては驚きでした。

 確かにヒブワクチンとか小児肺炎球菌ワクチンとかの助成金がでたりして、皆さん積極的に受けるようになり最近、乳幼児のワクチンスケジュールは一気にたてこんだ感があります。

 しかし研修会の講師の先生にいわせるとアメリカの例をあげ、我が国の現状はまだまだ遅れているとのことです。
 考えてみますと、医学の歴史は感染症との闘いともいえます。

 その結果、多くの細菌感染症は克服されました。しかし、VPDには有効な根治療法剤はありません。しかもこれから、ヒトもモノもどんどん国境を越えて移動する時代になって、予想もできない感染症にかかる危険は増す一方です。

 うちの子はまあ大丈夫、とか副作用がおきたらどうするの?とか、痛い思いをさせてもそれほど
効果があるの?とかいろいろ理由はあるでしょうが、結論からいうと、可能な限り全部受けなさい! ということでした。ぜひホームページ 「VPDを知って、子供を守ろう」をご参照ください。

 そうはいっても予防接種には定期予防接種と任意予防接種とあって自己負担のあるものもあります。
 これは大いに問題です。若い夫婦のために負担をなんとかすべきと私も思います。

 それから、強調されていたことは、現今のワクチンには副作用は、まず重篤なものはないということでした。今後、今以上ワクチンスケジュールがたてこんでくると接種もれを防ぐために同時接種が必要になるでしょうが、それも問題は全くないとのことでした

 アメリカではなんと生後2ヶ月で6種類のワクチン同時接種しているそうです。


 私は内科医ですが、予防接種はできるだけ行っています。

 予防接種の問題については親御さんもいろいろ副作用とか効果の面とか不安なこともあるでしょう。
 それに答えるためにも接種をおこなう立場からこれからも専門医の先生方との勉強会をとおして勉強をつづけていきます。

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