診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

HOME > 院長コラム 診療室から

2012年10月9日掲載時間外急患を考える

 今回は病気をはなれて大崎地区の救急体制についてすこし考えてみました。
 ご承知のようにこの10月から平日夜間は午後10時まで受付ということになりました。

 これまでは、古川地区の各病院群が輪番でおよそ一晩、時間外急患をひきうけていました。この制度がはじまったのは、市民病院に高次救急救命センターが開設された、平成6年です。
 これで大崎地区では、365日、24時間きれめのない医療体制が築き上げられたわけです。実はこれくらいの規模の市では他に例のない医療体制で、古川方式と全国的にも高い評価をうけておりました。
 しかしこの体制はもはや持続することはできません。
 いろいろ事情はありますが、最大の原因は極めて深刻な医師不足ともっと深刻な看護師不足にあります。
当初は若々しく張り切っていた先生方でしたが、18年経ったら、周りに代わってくれる医師がこない、その結果歳だけはとって、翌日の診療にも支障がでるようになってきたということです。
 皆さんはご存知ないかもしれませんが、医師に限って云いますと、
 当直あけでも、医師は通常の勤務をしなければなりません。通常の外来をこなし、検査も、あるいは手術もしなければなりません。なんと、一晩も寝なかったとしても翌日も仕事をつづけてきたし、今でもそうです。
これは異常な状況と思います。医療事故におびえながら仕事をしているといっても言い過ぎではないのですが、一向に医師に限って改善の兆しがみえません。
 また、看護師さんを当直にまわすと、医師とちがって代休をとらせなければなりません。ただでさえ少ない看護師さん、その結果、外来、入院の業務をする看護師さんがたりず、通常の診療に支障がでてきます。
そのため、病床が閉鎖においこまれ場合によっては病院経営が危機においこまれてしまう、そういう事態になっているのです。

 とはいっても、深夜帯の当番医がなくなるとなれば、地域住民の皆さんにはやはり不安に思う方も多いことでしょう。市としてはそれに対応するため、電話相談を設けました。
 それがどれだけ、患者さんの不安をおさえられるか、やってみないとわからないといいうのが、私の率直な思いです。
 ただ、これまでのデータでは結構、必ずしも救急外来受診をする必要のない患者さんも多いことが指摘されています。
 もっとも患者は素人だ!軽症か重症か、判断できないではないか!という意見はもっともです。
 しかし、昼間から、あるいは場合によっては何日も前から具合がわるかった、あるいは、仕事が忙しくて時間内に受診はできない、などといわれてはさすがに困ります。
 やはりできるだけ、はやめに(いろいろ、事情があることでしょうが)受診しましょう。
 その際には、医師の方も予測される症状の変化をよ〜くお話しして、患者さんにある程度、安心させるとか、対応をさせるとかの配慮も大切になります。
 多くの患者さんは市民病院に救命救急センターがあるではないか、と思われるかもしれません。
 もちろん、救急センターは救急の要です。最後の砦ともいえます。しかしそれだけに安易な利用は本来の業務を妨げかねません。

 救急医療はどの地域でも大きな問題を抱えています。
 市は市民病院移転にあわせて夜間休日センターの設置を決定しました。
しかし、これがきちんと機能するように、いまから、医療機関、医師会や行政、地域の住民の方々と何回も論議をかさねていく必要があります。

 まずは日ごろから自分自身の健康状況を気にしましょう。
 問題があったらさっそくご相談下さい。
 また軽い症状なら(実際のところ軽いかどうかは結構むずかしいですけど)あわてずに翌朝まで待ちましょう。
 やはり日ごろから主治医とのよい関係を保つようにこころがけておきましょう。
 最後にひとこと、軽い症状で救急車を要請することは問題外ですが、もちろん重篤な場合は遠慮することはありませんよ。

 また機会をみてこの問題をとりあげるつもりです。

0229-52-3057
pagetop pagetop