診療室から 〜院長 近江 徹広コラム〜

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2012年7月26日掲載ながびく咳

  当院のホームページをリニューアルしたのでこれを契機に日常の診察できづいたことなどを書き留めてみます。今日は咳についてお話ししてみましょう。

 というのはここ何年か、咳がなかなか止まらないという患者さんが多くなってきている印象があります。そう感じているのはどうも私だけではないようです。

 皆さん、風邪をひくとよく咳がとまらなくなるといったことがありますね。

 風邪はウイルスが(ときに細菌が)鼻腔、ノド、気道にはいってひきおこされます。

 だから鼻水がでたり鼻がつまったり、ノドが痛いとか、そして咳、痰がでるわけです。

 ときにはウイルスが血液にはいって全身をまわって熱があがったり、頭痛したり様々な全身的な症状がでるわけです。

 咳は大きくわけると痰がからまない咳と痰絡みの咳と二つに分けられます。

 特に痰絡みの咳は痰と一緒に病原体(気道にはいった病原微生物)を気道から排除しようとするきわめて自然な反応なのです。

 つまり咳は生体防御の上からきわめて大切な反射です。

 私は小児科を専門としてはいませんが、よく若いお母さん方が赤ちゃんが咳をするので心配ですと受診されることがあります。

 でももし赤ちゃんが熱もなく食欲もあってそれほど機嫌もわるくなければまあ心配しなくてもよい場合が多いのです。ご高齢の方は場合によっては咳をさせたほうが肺炎の予防になるという専門医の意見もあります。

 といってもやはり程度問題です。夜眠れないくらいせき込んで辛いといったときは我慢しなさい、とはいえません。


 さて風邪であればせいぜい1週間で症状のピークは自然におさまっていきます。

 また対症的に治療するしか方法はなく、自然になおっていくのが風邪というものです。

 咳は風邪の場合でも2週間くらいつづくことはよくあることではあります。しかし長引いたり、症状が激しかったり、あるいは胸がゼロゼロして不安なときはレントゲンなど検査をうけたほうがもちろんよいでしょう。

 風邪がこじれて肺炎に進行していることが結構ありますし、ときには結核、あるいは肺ガンなど見逃してはいけない病気もありうるからです。


 今年はマイコプラズマ肺炎がとくに子供たちや若い人に流行しています。激しい咳発作が特徴的です。

 もしとくに感染のサインがなくても1ヶ月以上も咳がつづいてしかも、レントゲンに異常がないときは、咳喘息が一番多いといわれています。また耳鼻科と連携が大切な副鼻腔炎やアトピー咳嗽という病気かもしれません。胸やけを主症状にする逆流性食道炎も慢性の咳をしばしばひきおこしますので消化器内科との連携も必要なこともあります。これらもきちんと診断されれば、治療は必ずしもむずかしくありません。


 きわめてありふれた症状である咳、痰ですが、自然におさまることが多いとはいえ、やはりちょっとへんだなあと思ったら、ほおっておかないで検査をうけてみることは大事だとおわかりいただけましたか? あっと忘れていました。タバコはダメですよ。まず禁煙、これは基本中の基本!

 あまり禁煙、禁煙というと嫌われるのですけど、やっぱりまずタバコは止めないと、治療のかいはありません。

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